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MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 壱

5月18日 世田谷パブリックシアター
MANSAI◎解体新書 その拾七
『聲(こえ)の七変化(バリエーション)?謡と歌のあわい?』
19時開演
21時15分終演

――――――――

ステージはシンプルな正方形のそれ。
その背後にはスクリーンが下がっていて、その3方を囲むように客席。
ステージの中央に木製の椅子が2脚と、水の置かれたサイドテーブル。
向かって右側の椅子の隣には、パソコンと平たい機材の置かれたテーブルが1脚。足元にはモニターみたいなものも。

時間になり、萬斉さんが登場。
スクリーンの左隣にある階段を降りて、ステージへ。
白いスタンドカラーのシャツに、黒いパンツ。
挨拶をして、公演の趣旨を説明。
以前宝塚の人がゲストだった時以来の競争率だったそうで、当日券も100人以上の人の狭き門だったと話し、客席騒然。
「焦らせてますね」なんて言いながら、酒井さんを呼び込む。

向かって右側。
ステージの下から階段を上って、挨拶しながら登場。
濃いグレーのスリーピーススーツ。
ベストのボタンはしっかり留めてるけど、ジャケットはボタンを留めずに前をはだける感じ。
シャツとポケットチーフは白。
薄いベージュの、紐だけが焦げ茶の靴。
履き込みが深めなので座っても靴下が見えないくらい。
ちょっと左が重めの前髪で、綺麗にセットされた髪型でした。
ステージに上ると満載さんに向かって「オッス」って感じの動きをしながら何度も挨拶。
肩の辺りが緊張してて、すっごい動きが硬いし、口調も固い。
観てるこっちまで緊張する。

酒:こないだコンドルズを観にこの、世田谷パブリックシアター来てるんですけどね。あの辺り(指をさして)で観てたんですけど、客席から観てたら分んないですけど、ステージの上だとこんなに緊張するのか!と思いました。

立ったまま挨拶をして少し話した後に、椅子に座る。
そのままトークセッションへ。

入場時にフライヤーと一緒に配られた自己紹介の乗った用紙を、萬斉さんがおもむろに開く。
客席もそれに合わせて開く。

萬:読めば分るんですけどね。声に出して読まないと気が済まないので。

と言いながら、酒井さんの紹介分を音読。
所々で頷きながら、神妙に聴いてる雰囲気。
光栄です。
いやいや、そんな。
みたいな感じで、ちょっと俯きがちに聴いてました。
紹介が終わると、ゴスペラーズとは何ぞや。ってことで参考資料としてスクリーンに映し出されるPV。
曲は「1.2.3for5」
ちょっと動揺する客席のゴスマニア。
萬斉さんと酒井さんも後ろを振り返って、スクリーンを仰ぎ見る。
音声込みで流れるのは1番のみ。
取りあえずの紹介が終わると、2人の背後で無音で流れ続けるPV。

酒:僕は5の前にいた人です。ゴスペラーズって言うとたいてい「サングラスの人」くらいしか見わけがつかないみたいで…。
萬:皆でサングラスしたら良いじゃないですか。
酒:(笑)陽射しに強いグループになりそうですよね。

萬:そもそもゴスペラーズって言うのは、何かゴスペルと関係があるんですか?

萬斉さんの質問に対して、酒井さんがゴスペラーズの成り立ちを説明。

酒:リーダーの村上って奴が高校生の時に初めて観た、Mama,I Want To Sing.って舞台がきっかけで。ああやって大きな声で好きなように歌いたいって言う気持ちから来たもの。ゴスペルとは関係ないんですよ。だから、アメリカとかで敬虔なクリスチャンかとか言われると凄く困るし。

何故アカペラ?みたいな質問に対して。

酒:アカペラブーム。みたいな時期はあるんです。ダークダックスさんとか、デューク・エイセスさんとか、ボニー・ジャックスさんとか。あの辺りは皆さん同じ時期なんですよね。そのあとしばらく時間が空いて、君たちアカペラやるの?珍しいねぇ。みたいなタイミングでゴスペラーズが出てくるんです。
萬:例えばそのダークさん達だったりとか。5人とか4人とかあるけど、ゴスペラーズも5人て言うのは何か意味があって5人なんですか?
酒:えぇっと。5人だと所謂「ハモリ」っていうのが出しやすいんです。それおこそボンボン言ってるベースボーカルがいて、主旋律を歌ってるリードボーカルがいて。残りの3人はドゥワーって言ってるコーラスみたいな。ゴスペラーズはそれぞれが声に個性があるんです。だから皆違う。ハーモニーグループって言うと、兄弟だったりとかそういうのが多いんです。
萬:ジャクソン5とか。
酒:そう!ジャクソン5!あれなんかは兄弟ですからね。
萬:ところで、後ろの写真が変わりましたけど(LN?のジャケ写)そのボンボン言ってる方と言うのは…。
酒:ボンボン言ってるのは…右から2人目ですね。陰になっちゃって見にくいですねぇ。
萬:あ、サングラスの方も。やっぱりコーラスとリードだと声の使い方も変わりますか。
酒:変わりますね。リードの時はそれこそ牽引役みたいな。引っ張って、って感じですけど。コーラスの時は盛り上げ役みたいな感じがあります。
萬:ハモリやすい形。みたいなものはあるんですか。
酒:ありますね。本当は真ん中を向いて輪になって歌うのが一番歌いやすいんです。こうやって歌ってるな。って言うのがお互い見えるので。でも、ステージとかでどうしても横一列に並んで歌わないといけない場面もあって。そうなると、端と端で音が聞こえづらいな。って時はありますね。

萬:音を聴く時に骨伝導というのがありますよね。骨に響いた音を聴くっていう。今聞こえてる声と、録音した声はやっぱり違う気がするんですけど、録音した自分の声を初めて聴いた時ってどうでしたか。
酒:高校生の時にバンドを組んでいて、その時に初めて録音した自分の声ってのを聴いたんですけどね。弱いなぁ?って思って。
萬:弱いなぁ。とは?
酒:なんて言うんでしょう。こう、「俺、こんなもんしか声出てなかったんだ!」みたいな。軸が無いんですよね。薄いの。

萬:ところで、さっきから我々の後ろに出てるのがありますが。これは、声の周波数を拾っています。左の64って書いてあるのがHz。横の軸が××です。右に行くほど声が低くなって、左に行くほど高くなりますね。それをここにあるマイクで拾ってるんですけど…。

萬斉さんが、ステージの中央際にあるマイクに近寄る。
酒井さんも一緒になって、水の入ったペットボトル片手に近寄る。

萬:例えばですね。Ah?♪

声に合わせて波形が変わる。
客席からは「おぉ?」と感嘆の声が上がる。

酒:今、お客さんの声も入っちゃってましたね。
萬:こんな感じで…。
酒:(スクリーンを見てる)
萬:…酒井さんもどうぞ?
酒:え!?あぁ、じゃあ!Ah?♪

酒井さんの声に合わせて波形が変化する。

萬:これが酒井さんの声ですね。随分幅が広いですね。
酒:僕は倍音出るんです。
萬:倍音?
酒:いくつもの音が混ざり合って、良く響くと言う意味合いの事を倍音って言うんです。
萬:ほぉ。
酒:それにしても、萬斉さんの声は低めでなだらかで良いですねぇ。俺なんてトゲトゲしちゃって。ほら、座ったら痛そう。
萬:違いますねぇ。
酒:萬斉さんのはエアーズロックみたいですよね。
萬:せっかくですから、お客さんにもやってもらいましょうか。
酒:それじゃあ、あなたどうでしょう。

ステージ最前中央のお客さんを指名するも、凄い勢いで拒否。

酒:あ、断られちゃった(笑)じゃあ、そちらの方。

次に指名された人は承諾。

萬:それじゃあ、ちょっと前に来て戴いて。このマイクに向かって「初めまして、こんにちは」とでも。
客:はじめまして。こんにちは。
萬:あぁ、やっぱり女性の方だと左側に傾きますね。
酒:違いますねぇ。
萬:ありがとうございました。

ステージ前方で立っていたのから、椅子に戻る。

萬:先日番組の収録で、どこから声が出てるかって言う測定をしたんですよ。
酒:はい。
萬:そしたら、僕の場合は足から出てるそうなんです。
酒:脚から!?
萬:この辺り(膝のちょっと上あたりを指しながら)から出てるって。
酒:こんにちは!(膝の辺りで手をパクパクさせて、膝が喋ってる動き)って事ですか!
萬:あと、この辺り(つま先)からとか。なので、普段はこの辺り(顔らへん)で喋ってる感覚なんですけど、それとはまた違うと言うか。酒井さんは、歌う時はどの辺りから声を出されてるんですか?
酒:僕ですか…難しいですねぇ。うー…ん。僕の場合はこの辺(顔のあたり)から出てるんだと思います。もちろん、腹とかは基本としてあるんですけどね。
萬:能や狂言の世界だと、息を吸って吸って吸って…そして吐き出すところから声を出すって言うのが一般的な手法になるんですけど。それとはまた違いますよね。
酒:そうですねぇ…でも、僕も吸い込んでから吐くタイプの歌い方ですね。両親が民謡をやってたので、その影響もあるかもしれませんけど。
萬:声を出す際に何か基本姿勢のようなものはあるんですか?
酒:うちは本当に独学なので、特にはないですね。萬斉さんなんかはしっかりおありになるんじゃないですか?
萬:狂言の世界ではこう…。

立ちあがり、足を揃えて軽く膝を曲げ、腰を落とす。
胸を張った上半身はやや前傾姿勢。
その体制を、説明しながら実演。
萬斉さんの説明に合わせて立ち上がり、同じような姿勢の酒井さん。
膝をぴったりくっつけて立っていたらしく
「膝は離して良いんですよ(笑)」
と、萬斉さんから指摘されて
「あ、そうなんですか!」と慌てて姿勢を直す。
結構難しいらしく、小さくぷるぷる震えながら立ってる印象。
萬斉さんが一節謡うと、真似をして酒井さんも謡う。
「なんか違うな(笑)」
と、酒井さんが笑うと、萬斉さんには
「いや、良いですよ」
とフォローされてました。

再び椅子に座る。

酒:でも、萬斉さんは姿勢が素晴らしいですよね。僕、以前解体新書に来た事がある人から言われたんですけど、萬斉さんと座ったら背筋を伸ばしてきちんと座らないと、みっともなく見えるから気をつけろ。って言われて来たんです。
萬:そうですか?
酒:そうですよ。だって、こんなん(椅子にだらしなく腰掛けて)してたら目立つじゃないですか!

確かに酒井さん、椅子に浅く腰掛けて背筋伸ばして座ってました。
時々脚を組んでたけど、それも本当に珍しいくらい。
居住まいを正す。ってこういう事なのかも。

萬:酒井さんは、ご自分の声をどのような声だと思いますか。
酒:僕の声は…そうですねぇ…こう、カーーーーンッ(こんな感じの擬音でした)って感じと言いますか。ゴスペラーズの中で起承転結があるとすれば、転の部分に当たる事が多いですね。こうきて、こうきて、そうきたか!みたいな。流れをちょっと変えるような。そんな働きをすることが、多いと思います。
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MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 弐

萬:狂言の世界では「めらす」という言葉があって…。
酒:「めらす」!?
萬:「めらす」
酒:なんですか「めらす」って。すっごい食いついちゃいました。
萬:めらす…そうですねぇ。なんて言うんだろう。
酒:どんな字なんですか?
萬:どんな字なのか…考えたこともないですねぇ。

ここで、めらすとはこんな感じ。と説明。

酒:あぁ!ちょっとしおれると言うか、しなっとなる。みたいな。
萬:そうですね。
酒:それは解る気がします。僕たちも歌ってて、最近めらすのが良いんじゃないか。みちあな事ありますから。この辺はめらしてみよう。みたいな…って、ごめんなさいね。言ってみたいだけですね。

萬:狂言にはリズムを取るという習慣がないんですよ。地謡とか地頭って言うのがあって、地頭に合わせて歌うみたいな感じなので。
酒:リズムですか。リズムに関しては、こう(スナップ)とか、こう(HBB)とか。ですかね。
萬:え?今の(スナップ)何やったんですか?
酒:え?あぁ、これは、こうやって…。
萬:あぁ、指パッチンですね。
酒:(笑)指パッチン。丸腰なんですよ。
萬:後にやったのは、えぇとヒューマン・ビート・ボックスですか。それは息?
酒:息とはまた違って、息+マイク芸みたいな所があるんdすよ。
萬:マイク芸?
酒:マイクってこう、近づけて息を吹きかけると音がもわんてするって言うか。こうやって。ね。近づけて喋ってもそうですね。これをマイクの近接効果って言うんですけど。それを利用してやってる部分もあります。
萬:でも、それこそ低いベースみたいな音も出したりしてましたよね。
酒:それはこう(マイクを離して「カッ!カッ!」と)こんな音とかも組み合わせつつ。あとはこう(マイクを離して音を出す)とか…なんか猫がシャーって言ってるみたいですよね(笑)
萬:機械になっちゃったのかと思った。
酒:これができると、何かと重宝するんですよ。ドラムの音が無い時とか。あとは、まだ学生時代とかに安アパートで、ドラムセット叩いてると隣に住んでるおじいさんとかに「ウルサイぞー!」とか言われる時でも音を小さくしたりできるので。
萬:音量調節できるんですか?
酒:ある程度なら。
萬:でも、たとえばそれをやった後に歌うとか、大変だったりする事って無いんですか?
酒:ありますよ。こないだ…つい一昨日もちょっとライブで歌わせて貰う機会があったんですけどね。村上が無理難題ふっかけてきて、歌の途中でお客さんいじってる間中ずーーーーっとリズム取ってた時は、さすがに顔が真っ赤になりましたね。それまでドンツク言ってたのに、終わったら突然歌って言われてもねぇ。歌い始めると音が外れたりとかしますよ。無理だろそれ!みたいな感じで。
萬:狂言の場合は、拍と言う概念がないんですよね。リズムを取るのは太鼓って楽器になるんですけど。それの長さによって、一拍が凄く長かったり短かったりする。最初のドンって音が零拍で、その後に続く音が???♪って長くて、一拍。次の?♪が二拍。みたいな感じです。
酒:その辺りは全然違うんですね。
萬:狂言の世界には「一調二機三声」という世阿弥の教えがありまして。まずは調子を整えるところから始まるんです。だから、声を出す時もしばらく溜めて溜めて、息を吸った所でタイミングを見計らって下からもってくる。みちあな。
酒:ああ、僕もどっちかって言うとそうですね。下から持ってくるタイプです。ただ、僕たちの場合は1.2.3.4で入る。とかそういう事が必然的に必要になってくるんです。
萬:それは4で入るの?それとも、4.で入るの?
酒:4で入る感じですね。
萬:狂言の場合だと「ハイ」って言われて出す音ってのは無いですからね。

萬:リズムとありましたが、俳句のナレーションもされてますよね。それに対してはどうですか。
酒:俳句は…後ろにも出てますけど「五七五の規制」って言うのがありまして。確かに読んでいて心地良い音って言うのはあるんです。ただ、それに縛られ過ぎてはいけないな。と。トトトトト・トトトトトトト・トトトトト(平坦に読む)みたいな。そうじゃなくて、もっとなんて言うかこう…。
萬:トットトト・トトトトトトト・トトトット(音に強弱を付ける)みたいな感じですか。
酒:そうですね。
萬:急にポップな感じになりましたもんね。
酒:そういう風な事を、考えながら、読ませて貰うようになりました。そうすると凄く楽しいんですよね。
萬:こんな声で読もう。とかはあるんですか。
酒:そうですね。ちょっと低めに…萬斉さんなんかは低くてこう、女の人とかが好みそうな声されてるじゃないですか。
萬:(笑)
酒:オマエヨー!フザケンナヨー!みたいに甲高く言われるよりも、低い方がね。モテ声って言うんですか。そんな感じで読むようにはしてます。

萬:狂言の場合だと、まず言葉があって。それを音に乗せていくんですけど。その辺りはどうですか。
酒:その辺りは全く反対とでも言いましょうか。ゴスペラーズの場合「曲先」と言う言葉があるんですけど。まずこんなメロディーが良いな。って言うのがあって、それに対してこの言葉かな。って歌詞を合わせていくんです。その時にどうしても気持ちいい音って言うのがあって。それに縛られるのは恐いな。と。悪い意味ばかりじゃないんです。ただ、そればかりになってしまうのが怖いと言うか。だから、最近ではそういうのを意識して作ったりもしますね。例えば、原稿用紙があって、その升目にひとつずつ平仮名を入れていくような作業で。ただ、その原稿用紙の升目は大きいのがあったり横に長いのがあったり、角ばってるのがあったり。そうやって、色んな形にあてはめていくんです。あ、この音にはこれかな。って。
萬:音に対して文字が入りきらなくなったりとか。そう言うのは無いんですか。
酒:ゴスペラーズの場合、解らない言葉にしない。って言う決まりはあります。聴いていて意味が分からないのはやめよう。って。…あ、例えばチャッカマンとか良いですね。
萬:え?チャッカマン?
酒:あ、すいません。いや、さっきのリズムだとそんな感じのリズムだったなって思って。そうやって、後になって思いつく事も多いんです。だから例えば、フォークソングとニューミュージックみたいな感じで。フォークソングだと「君と暮らしていた頃?♪ジャラ?ん♪美味しいご飯を毎日食べたかった?♪ジャラ?ん♪」みたいな感じなんですけど。それをNo!!って言ったのがノーミュージック。つまりニューミュージックなんです。そうなると、メロディー先行リズム先行で、その中に入る言葉が曖昧でも良い。みたいな。まず聴こえて気持ちいい音が先行しちゃうような。そういう曲が多い昨今だと。思ったりもするのです。はい。
萬:狂言なんかは逆に音に頼り過ぎて言葉が分らなくなったりしますからね。「何て謡ってるのか分りません」とか言われたりもしますし。その辺りは全く別物という訳ですね。

萬:ところで、自分がどこを歌うのかとかは、取り合いになったりしないんですか。
酒:しますよ。いつも取り合います。若い頃なんて、殴り合いの喧嘩みたいでした。まず曲を持ち寄って、自分はこの辺りがいいな。ってことで、ひととおり全員が歌って、それで今回はここ。って具合に決まります。
萬:狂言の世界では「ハモる」という概念がないですからねぇ。それこそ地頭に合わせて後ろも上げたり下げたりするくらいで。それぞれが歌ってる感覚とでも言いましょうか。
酒:あ、なんか今の良いですね。そういう曲が作れたら良いなぁ。それぞれが全くハモらずに、自分の好きなように歌っていくみたいな。そんな感じの。
萬:それで最後にどーんってハモるんですか。
酒:途中はそれぞれが全力疾走して、最後だけしっかりハモる。良いですねぇ。焦らせて焦らせて最後に…みたいな。って。すいませんね品格が足りなくって。本当にすいません。
萬:(笑)
酒:でも、それぞれが個性だけで歌うってのは難しいかもしれないですけど、これから先、そんな感じの曲を作ってみたいなぁ。って思いました。

MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 四

拍手の中、再び椅子に腰かける2人。

萬:それじゃあね。今までずっと我々が話してばかりだったので、そろそろ皆さんも声を出したくなってきたんじゃないですかねぇ。
酒:そうですね。ゴスペラーズはライブの終盤で、盛り上がるぞーって時に必ずやることがあるんですよ。それは、会場のお客さんにも一緒になって歌ってもらう。っていう。なりきりゴスペラーズと言うコーナーなんですけどね。それを、これからやってみても良いですか?
客:(拍手)
酒:これだけ今日はね、声についての話を聞いた訳だから。色んな事思うでしょうけど、とりあえず大きな声を出してみませんか?大きな声を出して、今日はすっきりして帰って戴きたい!

ハンドマイクをテーブルの上に置いて、ステージの際に設置されてるマイクだけが拾うくらい大きな声で会場を煽る酒井さん。

酒:それでは!どうでしょう、立った方が良いですかねぇ?
萬:いや、座ったままでいいんじゃないですかね。
酒:そうですか。じゃあお座り戴いて、ね。そしたら、まずはAh?♪からいきましょう。全体で、せぇ?の!
客:Ah?♪
萬:弱いですねぇ。
酒:ですねぇ。
萬:日本人は「隣の人がやってくれるだろう」って感覚になりがちですからねぇ。
酒:「大きな声を出すなんて下品なこと出来ません」って人も、今だけはそんな事考えずに!恥ずかしがらずに、今日だけは気持よく帰ってくださいね!

ここで、客席を3つのパートに分ける。
高・中・低でパート分けして、それぞれのパートの音を酒井さんが取って指導。
私のいた右側の低音パートの時に、酒井さんが音を取るのに合わせて皆が口ずさんでたら「今は歌わなくて良いから!」と笑いながら叱られました(笑)
いや、歌わないと音取れない。
3パートそれぞれ練習して、もう一度音を合わせた後。

酒:それじゃあ、Ah?♪って言ってるだけじゃ勿体ないですから。んんんんん。くらいの長さで、何か今日の公演の中で気になった言葉とかないですかねぇ。何かそういうのを今から募集します!はい!ある人!

ざわめく客席。
そのうちどこからともなく「チャッカマン」の声。

酒:え?チャッカマン?
萬:チャッカマン(笑)
酒:うわぁ、良いんですかねぇ。こんな大事な会でチャッカマンなんて言ってもらって。
萬:大丈夫でしょ。
酒:それじゃ、チャッカマ?ン♪でさっきの音に合わせて。はい!良いですか!ほら、さっきやったやつ。なんでしたっけ。世阿弥先輩の!一機…でしたっけ。
萬:一調二機三声ですね。調子を整えて、機を見つけて、声を出す。みたいな。
酒:だそうですよ。良いですか!まず調子を整えて、はい、調子を整えて?そっからタイミングを見計らって?声を出す!良いですか、姿勢よくしてくださいね。姿勢も大事ですよ!姿勢!ねっ!

座ったままで姿勢を正す客席。
立ち見もなんとなく背筋が伸びる感じ。
酒井さんは若干、萬斉さんのやった狂言の発声の姿勢。

酒:じゃあ、皆で合わせてみますよ!せ?のぉ!
客:チャッカマ?ン♪
萬:さっきより良いですねぇ。
酒:そうですね。まだまだ足りないですけどね。じゃあこの辺りでそれぞれのパートから1人ずつ代表で歌ってもらいましょうか。

ここで各パートから1人ずつ選出。
低音パートがなかなか立候補しなくて、ちょっと動いた人を間違えて指名しちゃって違うって言われたりだとか、そんな感じでちょっと難航したけど3人無事選出。

酒:はい、じゃあ立って下さいね。良いですか、こっからは自己責任ですよ。良いですね、頼ろうと思っても隣の人はいない訳ですから。自分の力で頑張って下さいね。

酒井さんがざっと音を確認した後、正面を向いたまま3人に歌わせる。
微妙に合わない声。

酒:いまいち元気がないですねぇ。
萬:真ん中向いてないからじゃないですか?
酒:あぁ!そうか!そうですよねぇぇぇぇぇぇ!うわぁぁぁぁぁ!俺全く気付かなかった!それだぁ!

萬斉さんの言葉に悶絶する酒井さん。
自分で自分の頭を小突いて反省。

酒:はい!じゃあ3人で向かい合うようにしてみてください。
萬:あなたも後ろ向いてね(真ん中のパートの人は前から2列目だったので、必然的にステージに背を向ける形になる)
酒:手とか振ってみて、お互いを確認してくださいね。分りましたか?じゃあまたやってみましょう。

高音の人がそれにストップをかける。

高:すみません。音を貰えますか?
酒:え?あぁ、音?って、俺が取ったら見えなくなっちゃうから…あなたが音を取れば良いんだ!(←真ん中の人を指さして)

真ん中のパートの人は、突然の指名にビックリ。

酒:うん。あなたが取れば良いんだよ。あなたが良いと思ったら大丈夫だから(すっごい無責任な感じで妙に優しく説得)はい、じゃあやってみましょ?。

真ん中のパートの人が「せぇ?の!」と拍子を取り、3人でハモる。
確実に1回目よりも声が大きいし、ハモってる。
客席から拍手が生まれる。

酒:はいっ!良いですねぇ。今、その真ん中の辺りの人は三方サラウンドでお楽しみ戴けたかと思います。ありがとうございました!さて、そんな所でもう1回やってみましょう!今の1人1人のを聴いちゃったら、今まで恥ずかしがってた自分は何なんだ!と!恥ずかしがってた自分が馬鹿みたいだ!と思いませんか!?思いますよね!?なので、今日は最後に思いっきり声を出して、良い汗をかいて帰って戴きたいと思う所存でございます!さぁ!客席の皆さんも立って下さい!

ライブの後半のMC並に客席を煽る酒井さん。
立ちあがった客席に、それぞれのパートの音を確認する。

酒:はい、じゃあいきますよ!せぇ?の!
客:チャッカマ?ン♪

最初の時より遥かにキレイにハモってるし、声も出てる。
酒井さんが両手で締めて、ハモリ終了。
それに合わせて客席からは拍手が湧く。

酒:ありがとうございました!
萬:(拍手)
酒:ほんっとうにありがとうございましたぁ!!

すっごい深々と萬斉さんに向かってお辞儀をする酒井さん。
顔をあげて、落ち付いた所で椅子に戻る。

MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 参

萬:それじゃあ、今までずっと話していたので、そろそろ機械も準備して戴いてるみたいですし。
酒:はい。このパソコンにはですね、今日はそれぞれのメンバーのパートが入っています。こないだ「ちょっとお願い!」って言って、それぞれ録音させて貰ったんですが。ゴスペラーズのメンバーが普段それぞれどんなパートを歌ってるのか。普段だったら
「どんなパート歌ってるんですか?ちょっと歌ってみてくださいよ」
「いやいや、そんな」
って絶対やらないんですけどね。今日は子のパソコンを使って、ゴスペラーズを解体したいと思います。良いですね、ゴスペラーズ解体。明日の一面とかになりそうですよね。で、最後まで見えなくてゴスペラーズ解散と勘違いされちゃうの(笑)
萬:(笑)
酒:それではまず、全員のから。

「ウイスキーがお好きでしょ」のサビ部分が流れる。

萬:お馴染みの。ウイスキーでも飲みたくなりますね。
酒:あしがとうございます。これを1人ずつになるとどうなるか。って事で、まずは一番判りやすいところから。

黒沢パートが流れる。

酒:一番判りやすい所ですね。カラオケで歌う所です。次は、僕がどんな部分を歌ってるかって事で。

パソコンを操作すると、酒井さんのパートが流れる。
スクリーンにはそれぞれの音が色付きで表示されてる。

酒:僕はこんな部分を歌ってました。
萬:息継ぎがないような。
酒:そうですね。頑張って気づかれないように息継ぎしながら歌ってます。

このあと、村上・安岡・北山の順でそれぞれのパートが流れる。
北山さんの時だけ「次はボンボン北山です」と紹介。
5人分を流し終えて。

萬:こんなことをやってるんですねぇ。
酒:そうですね。
萬:これだけ1人1人が違うと、淋しくなったりしませんか。
酒:しますよ。心が折れそうになる時があります。
萬:(笑)
酒:ウイスキーが(↗)って上がりたいところを、敢えて押さえて「ウイスキーが(→)」って歌う。みたいなパートもありますし。僕なんかは「ウイスキーが(↗)」って高いところだから良いんですけどね。これにねぇ、今日は萬斉さんの声を合わせてみようかと思いまして。萬斉さんどのパートが良いですか?
萬:え?
酒:1人ずつ足せるって事は、1人ずつ抜くこともできるんですよ。どうしますかぁ?萬斉さん低音だし、ボンボン言ってみます?
萬:ウイスキーボボン・ボボン…って、どうしたらいいか分からないですよ。
酒:じゃあ、普通にやってみましょうか。それじゃあいきますね。1.2.3?♪

酒井さんが操作し、黒ぽん抜きの音が流れる。
それに合わせて歌う萬斉さん。
最初は少し音が弱い感じだったけど、最後の「それで良いの今は」の辺りはしっかり声も出て、これまた良い感じの大人の曲に仕上がってました。

客:(歌い終わって拍手)
酒:良いですねぇ。またガラッと印象変わりますね。僕たちは相手に合わせて歌うので、萬斉さんが入ることでまたイメージ変わりますよね。じゃあ…僕もやってみて良いですか?
客:(拍手)
酒:あれ?良いんですよね、ここ僕が歌って(慌てて進行表をチェック)
萬:大丈夫。大丈夫です。
酒:それじゃあっと…。

自分のパートを抜く為にパソコンを操作してる酒井さん。
そこに向かって、他の人のパートを歌って欲しいとリクエストする客席からの声。

酒:え?他の人?あぁ、他のメンバーのパートを歌ってほしいって事?んーまたややこしい事を(笑)例えば、ボボン・ボボン・ボ・ンーとか…って、人には向き不向きがありますからねぇ。

北山さんパートを口ずさみながら、軽く笑ってパソコン操作終了。
準備完了したので、酒井さん抜きで音が流れ始める。
座っていた椅子から立ち上がり、ステージ前方まで歩いて自分のパートを歌う。
最初はパソコンと酒井さんは同じ音量。
最後のフレーズに合わせて、客席奥のPA席に向かって「音下げて」と合図をすると、2巡目はパソコンの音がやや落とし気味になる。
薄いコーラス状態になった音の上で、くっきりと浮かび上がる酒井さんの声。この時はほぼマイクオフ。
会場が狭いから、マイクオフでもしっかり響き渡る声。
最後のフレーズに差し掛かると「音を上げて?」と合図。
後半から徐々にパソコンの音を上げていって、それに乗せるように歌う3巡目を終えて終了。

客:(拍手)
萬:いやぁ、素晴らしいですね。先ほどのナレーションのお話もありましたけど、歌ってる時も語りかけるように歌ったり、盛り上げていったり、これが原稿用紙の升目なんですね。
酒:あ、そうですね。そういう事になりますね。
萬:レコーディングではこれは、どう録るんですか。先ほどもおっしゃったように、皆でマイクを囲んで一斉に。とか?
酒:いや、これは1人ずつそれぞれのパートを歌ったのを最終的に合わせて、それでひとつのハモリになっていますね。
萬:その場合、他の人の歌ってる部分て言うのを聞きながら歌ったりするんですか。
酒:そういう場合もあります。あとは、あらかじめピアノでさっきみたいに個人のメロディーを弾いて、それをガイドラインにしながら歌ったりだとか。作った人が全員分のパートを歌って、それを聞きながら。なんてこともありますね。その場合には「そこはもっと出して欲しいから録り直し」とか、そういうこともあったりします。
萬:なるほど。
酒:そんな地味な作業をね、ずーーっと繰り返すのがレコーディングと言う作業になりますね(笑)

萬:ところで、そっちの機械は何の機械ですか。
酒:こっちの機械はボイスライブ?って言う機械なんですけど。あ、商品名はどうでもいいですね(笑)これは、マイクを通した声で1人でも声を重ねたりハモったりしてライブができるという機械になります。今日はこれで、萬斉さんがいっぱいいる状態を作ろうと思います。先日万作の会を観させて戴いたんですけど、萬斉さんの「水汲」というのを聴いて、これを萬斉さん1人じゃなくて、もっとたくさんの人数で謡ってる状態にしたらどうだろう。とか考え始めたら、空想の世界から帰って来れなくなっちゃいまして。なので、伝統芸能を愛する皆さんには本当に申し訳ないんですけど、今日は萬斉さんの声でそれを試してみたいなと思うんですけどいかがでしょうか?
客:(拍手)
酒:本当にね、申し訳ないとは思うんですけど。野心的な実験と言う事で、今日はひとつよろしくお願いします!
客:(拍手)
酒:それじゃあ、萬斉さんはこのマイクで…。
萬:はい。

酒井さんにマイクを手渡され、ステージ中央に出てくる萬斉さん。
中央に出てくると、その場にペタンと正座してスタンバイ。

酒:まずは萬斉さんが何人もいるような感じで。それじゃあ、皆さん目を瞑ってくださいね。

萬斉さんが謡い始める。
それに合わせて機械を操作する酒井さん。
声が重なって、水の中で反響してるような不思議な感じ。

酒:はい。
萬:なんか自分では良く分からない感じですね。
酒:今のは萬斉さんの声を何重にも重ねた感じでやってみました。女の人っぽい、高い声とかもあるんですよ。やってみましょうか。

鼻歌交じりで機械を操作して準備する酒井さん。
すっごい楽しそうで、子どもみたいな印象。

酒:はい。じゃあやってみましょう。お願いします。

ここでまた萬斉さんが謡うんだけど、重ねた高い声がガスでも吸ったのかってくらい奇妙なキーになっちゃって中断。
笑いながら崩れ落ちる萬斉さん。

酒:あれ、おかしいなぁ。ちょっと調子が良くないんですよねぇ。
萬:なんか怪人とか出てきそうですよね。

機械を操作して、再び仕切り直し。
それでも妙な音直らず。

酒:すいませんっ!調子良くないですね。はい、じゃあ次は萬斉さんの声だけでハモってみましょうか。いわばマンサイーズみたいな感じで。
萬:今までやってたのは違うんですか?
酒:え?あぁ、今までのはユニゾンです。これからやるのはハモリってやつです。
萬:はいはい。なるほど。
酒:ちょっとメロディックなやつをお願いします。
萬:それじゃあ酒井さんもご覧になった「水汲」の中からやってみようかと思います。
酒:急に入りますので、まずは謡って戴いて良いですか?
萬:はい。

謡い始める萬斉さん。
酒井さんが途中で機械のレバーみたいな部分を、手を広げたままの中指でそーっと動かすと、萬斉さんの声がハモる。
ある程度ハモるとまた戻して、しばらくするとハモっての繰り返し。

萬:こんなもんでいかがですか?
酒:ありがとうございますっ!俺はものすっごい満足ですっ!!

満面の笑みでお礼を言う酒井さん。

萬:ウイスキーを意識してウ?♪って言ってみたんですけどね(笑)
酒:あ、ありがとうございます!最高です!萬斉さんにもう一度拍手!
客:(拍手)

MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 吾

萬:いやぁ。最後のもっていきかたは見事でしたね。皆さん恥ずかしがっていたのに、殻を脱ぎ捨てて声も出てましたし。
酒:殻を脱ぎ捨てるなんて、そんなまたぁ(照)
萬:え?あぁ!
酒:すいません。もう、本当にすいません品格がなくって。そんなことばっか言っちゃって。品格無いですから、そんなことばっか考えちゃうんですよぉ?。

萬:ひとまずこれで、今日のプログラム的には全て終了なんですけど。せっかくだから皆さんの方から何か、質問とかあればお受けしましょう。何かありますか、はい、そこの男性の方。

前列端の、初老の男性が挙手をして指名される。
「舞台上で気持ちいいと感じるタイミングみたいなものはありますか」
という質問。

萬:これは、酒井さんの方がコンサートとかでおありになるんじゃないですか?
酒:えぇっと…そうですねぇ。僕の場合は割とこう、あとになってからそう感じることが多いですかね。確かにお客さん総立ちになて一緒になって歌ってるのは、勿論楽しいんですけど。そこよりも、その後。ライブ終わってからとか、時間が経った状態で出る鼻歌的な状況の方が気持ちいいな。と感じたりしますね。あとは、音的なものと言うか。発音して気持ちいい音ってのがあって、そう言うのに気づいちゃうと何度もしつこいくらい繰り返しちゃうんです。例えば「カムチャッカ半島」とか好きなんですけど。
萬:また「チャッカ」が入ってますね。
酒:あ!本当だ!凄いですね、萬斉さん。突っ込みますねぇ。こうやって思いつくと、きっと繋がりのある言葉しか浮かんでこないのかもしれないですね。そういう面で言えばスリジャヤワルダナプラコッテとかも良いですよね。
萬:狂言ではシャンシャシャンシャシャシャンシャン(こんな雰囲気)と言うのがありますよ。
酒:良いですねぇ。そういうの大好物です。

2人目は若い女性が質問。
「モテ声という話がありました。女性は萬斉さんみたいな低い声が好きと話していましたが、女性のモテ声ってどんな声ですか。また、お2人の好みの声を教えてください」

酒:取り調べかぁっ!!!
客:(笑)
萬:酒井さん、何かありますか。
酒:モテ声と言うか、この間猫の本をたまたま読んでいて書いてあったんですけど。猫って人間よりも聞こえる周波数が高いんですって。なので、低い声で「おい猫、こっちに来なさい。」って言うと猫は自分よりも大きな動物を想像して怯えちゃうんです。だから「猫なで声」って言うじゃないですか、あれは本当に猫にとっては「うん、それ聞こえやすい。そのくらいが聞きやすいよねー」って言う声らしいんですよね。
萬:なるほど。で、酒井さんの好みの声は?
酒:うっ…(笑)「オマエヨー!ナニカンガエテンダヨー!(甲高い)」って男性より、萬斉さんみたいな低い声の方がもてそうじゃやないですか。そう考えたら女性も「アタシィー××ダカラァー(ギャル風声高めに)」って人よりも「私は…(しっとり声低く息多め)」って人のがいいかもしれないですよね。って、でも普段は「あぁ?この煎餅うめぇ?(椅子の背中に肘をもたれ掛けて行儀悪く怠惰に)」なのに、電話だと急に「ハイ、もしもしぃ(キビキビ、キャピキャピっと)」なるのはどうですか!俺的にはあれは無いと思うんですよ!普段は「この煎餅うめぇ?」なのに、なんで電話は「ハイ、もしもしぃ」なんだ!と!あの写り見の早さが信じられない!
萬:結婚したら、そんなことは日常茶飯事ですよ(笑)
酒:はっ!えっ!そうなんですか!?
萬:そうですよ。

三人目も女性が質問。
「音痴の直し方は?」

酒:…。
萬:…。
酒:………。
萬:…………。
酒:いっきに冗談じゃ答えられない話になりましたねぇ。
萬:これに関しては、我々よりもリズムとかを必要とする酒井さんの方が分るんじゃないですか?
酒:そうですね…そうですよねぇ。例えば楽器と一緒に歌ってたりとかして、合わないなぁ。って時はあるんです。ああもう本当にごめんなさいってくらいにズレちゃったりとか。そういうのって凄く目立ちますよね。ゴスペラーズも、あ、今日は全体的に高めだな。って日もあれば、今日は低いなぁ。って日もあって。もちろん、どうしたんだ今日は!ってくだいドンピシャな日もあるんですよ。なのでね、これが正解ってのはあんまりないんじゃないかと思います。これが正解。とかじゃなくて、気持よく歌えることが大切なんじゃないかと思います。
萬:狂言でも、さっき言った地頭が早ければそれに合わせたり、って言うのは確かにありますね。

萬:お三方に質問いただきまして。大変お名残惜しいの所ではありますが、最後に一言。今日の感想でも結構ですので、何か戴けますか。
酒:はい。今日お話しさせて戴いた中で、それこそ世阿弥先輩の一調二機…でしたっけ。みたいな、違う分野でも通ずる新しい面を色々知ることができました。声の出し方とか、そうか。って気付かされる部分もあったりして。これを機に、そんなまた今までと違った曲作りに生かしていきたいな。と思います。今日は本当にありがとうございました。
萬:こちらこそ、ありがとうございました。MANSAI◎解体新書その拾七「聲」今回のゲストは酒井雄二さんでした。

椅子から立ち上がり、萬斉さんに挨拶して、客席にも挨拶して、登場時と同じように階段を降りてステージ下手に酒井さん退場。
酒井がんが退場した後は、萬斉さんが少し今日の感想的な事を話して公演は終了しました。


―・―・―
どこで話してたか忘れた×書き忘れとして。

・狂言は「Sing」ではなく「ストーリーテラー」的な部分が大きい。
・萬斉さんは「七色の声を持つ」と言われるが、今日はそれを「八色」にできたら良いな。と思った。
・ゴスペラーズで歌う時、強く伝えたいところはわざと全員で大きく歌ってアピールすることがある。

そんな話もしてました。
以上。
ネタバレ終了。
お粗末さまでした。
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