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MANSAI◎解体新書 その拾七―聲― 四

拍手の中、再び椅子に腰かける2人。

萬:それじゃあね。今までずっと我々が話してばかりだったので、そろそろ皆さんも声を出したくなってきたんじゃないですかねぇ。
酒:そうですね。ゴスペラーズはライブの終盤で、盛り上がるぞーって時に必ずやることがあるんですよ。それは、会場のお客さんにも一緒になって歌ってもらう。っていう。なりきりゴスペラーズと言うコーナーなんですけどね。それを、これからやってみても良いですか?
客:(拍手)
酒:これだけ今日はね、声についての話を聞いた訳だから。色んな事思うでしょうけど、とりあえず大きな声を出してみませんか?大きな声を出して、今日はすっきりして帰って戴きたい!

ハンドマイクをテーブルの上に置いて、ステージの際に設置されてるマイクだけが拾うくらい大きな声で会場を煽る酒井さん。

酒:それでは!どうでしょう、立った方が良いですかねぇ?
萬:いや、座ったままでいいんじゃないですかね。
酒:そうですか。じゃあお座り戴いて、ね。そしたら、まずはAh?♪からいきましょう。全体で、せぇ?の!
客:Ah?♪
萬:弱いですねぇ。
酒:ですねぇ。
萬:日本人は「隣の人がやってくれるだろう」って感覚になりがちですからねぇ。
酒:「大きな声を出すなんて下品なこと出来ません」って人も、今だけはそんな事考えずに!恥ずかしがらずに、今日だけは気持よく帰ってくださいね!

ここで、客席を3つのパートに分ける。
高・中・低でパート分けして、それぞれのパートの音を酒井さんが取って指導。
私のいた右側の低音パートの時に、酒井さんが音を取るのに合わせて皆が口ずさんでたら「今は歌わなくて良いから!」と笑いながら叱られました(笑)
いや、歌わないと音取れない。
3パートそれぞれ練習して、もう一度音を合わせた後。

酒:それじゃあ、Ah?♪って言ってるだけじゃ勿体ないですから。んんんんん。くらいの長さで、何か今日の公演の中で気になった言葉とかないですかねぇ。何かそういうのを今から募集します!はい!ある人!

ざわめく客席。
そのうちどこからともなく「チャッカマン」の声。

酒:え?チャッカマン?
萬:チャッカマン(笑)
酒:うわぁ、良いんですかねぇ。こんな大事な会でチャッカマンなんて言ってもらって。
萬:大丈夫でしょ。
酒:それじゃ、チャッカマ?ン♪でさっきの音に合わせて。はい!良いですか!ほら、さっきやったやつ。なんでしたっけ。世阿弥先輩の!一機…でしたっけ。
萬:一調二機三声ですね。調子を整えて、機を見つけて、声を出す。みたいな。
酒:だそうですよ。良いですか!まず調子を整えて、はい、調子を整えて?そっからタイミングを見計らって?声を出す!良いですか、姿勢よくしてくださいね。姿勢も大事ですよ!姿勢!ねっ!

座ったままで姿勢を正す客席。
立ち見もなんとなく背筋が伸びる感じ。
酒井さんは若干、萬斉さんのやった狂言の発声の姿勢。

酒:じゃあ、皆で合わせてみますよ!せ?のぉ!
客:チャッカマ?ン♪
萬:さっきより良いですねぇ。
酒:そうですね。まだまだ足りないですけどね。じゃあこの辺りでそれぞれのパートから1人ずつ代表で歌ってもらいましょうか。

ここで各パートから1人ずつ選出。
低音パートがなかなか立候補しなくて、ちょっと動いた人を間違えて指名しちゃって違うって言われたりだとか、そんな感じでちょっと難航したけど3人無事選出。

酒:はい、じゃあ立って下さいね。良いですか、こっからは自己責任ですよ。良いですね、頼ろうと思っても隣の人はいない訳ですから。自分の力で頑張って下さいね。

酒井さんがざっと音を確認した後、正面を向いたまま3人に歌わせる。
微妙に合わない声。

酒:いまいち元気がないですねぇ。
萬:真ん中向いてないからじゃないですか?
酒:あぁ!そうか!そうですよねぇぇぇぇぇぇ!うわぁぁぁぁぁ!俺全く気付かなかった!それだぁ!

萬斉さんの言葉に悶絶する酒井さん。
自分で自分の頭を小突いて反省。

酒:はい!じゃあ3人で向かい合うようにしてみてください。
萬:あなたも後ろ向いてね(真ん中のパートの人は前から2列目だったので、必然的にステージに背を向ける形になる)
酒:手とか振ってみて、お互いを確認してくださいね。分りましたか?じゃあまたやってみましょう。

高音の人がそれにストップをかける。

高:すみません。音を貰えますか?
酒:え?あぁ、音?って、俺が取ったら見えなくなっちゃうから…あなたが音を取れば良いんだ!(←真ん中の人を指さして)

真ん中のパートの人は、突然の指名にビックリ。

酒:うん。あなたが取れば良いんだよ。あなたが良いと思ったら大丈夫だから(すっごい無責任な感じで妙に優しく説得)はい、じゃあやってみましょ?。

真ん中のパートの人が「せぇ?の!」と拍子を取り、3人でハモる。
確実に1回目よりも声が大きいし、ハモってる。
客席から拍手が生まれる。

酒:はいっ!良いですねぇ。今、その真ん中の辺りの人は三方サラウンドでお楽しみ戴けたかと思います。ありがとうございました!さて、そんな所でもう1回やってみましょう!今の1人1人のを聴いちゃったら、今まで恥ずかしがってた自分は何なんだ!と!恥ずかしがってた自分が馬鹿みたいだ!と思いませんか!?思いますよね!?なので、今日は最後に思いっきり声を出して、良い汗をかいて帰って戴きたいと思う所存でございます!さぁ!客席の皆さんも立って下さい!

ライブの後半のMC並に客席を煽る酒井さん。
立ちあがった客席に、それぞれのパートの音を確認する。

酒:はい、じゃあいきますよ!せぇ?の!
客:チャッカマ?ン♪

最初の時より遥かにキレイにハモってるし、声も出てる。
酒井さんが両手で締めて、ハモリ終了。
それに合わせて客席からは拍手が湧く。

酒:ありがとうございました!
萬:(拍手)
酒:ほんっとうにありがとうございましたぁ!!

すっごい深々と萬斉さんに向かってお辞儀をする酒井さん。
顔をあげて、落ち付いた所で椅子に戻る。
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